知れば開運!しあわせ招く、招き猫のカタチの秘密

招き猫発祥の地は江戸? 町人文化が全国に

しあわせを招く「猫」の伝説は東京の豪徳寺、京都の檀王法林寺など、全国各地に残されています。人形や縁起置物としての「招き猫」の由来についても諸説あり、文献で確認できるのは18世紀後半に江戸の浅草、今戸神社周辺で作られていた今戸焼の土人形「丸〆猫」を起源とする説。背中に「〆」の字が描かれた丸〆猫は、福やお金を招くとして江戸庶民の間で広まりました。


地域ごとの個性いろいろ


江戸庶民に愛されるようになった招き猫は、その後日本全国へと広がってゆきました。土人形の源流である京都の伏見人形、三河の土人形、高崎など関東各地の張り子、瀬戸や九谷の磁器、常滑の陶器など、さまざまな工芸産地で招き猫が作られるようになります。現在では、瀬戸、常滑、九谷が三大招き猫産地として知られています。



明治に磁器の招き猫が瀬戸で誕生

古瀬戸型の招き猫
古瀬戸型の招き猫

1300年以上の焼き物の歴史を持つ愛知県の瀬戸では、明治になると日本初の磁器の招き猫作りが始まりました。「古瀬戸(ふるせと)型」と呼ばれるこの招き猫は、細身で頭が小さく本物の猫に近いシルエット、そして前垂れ姿が特徴です。猫のシルエットは、京都伏見人形の影響を受けたと言われています。また前垂れの装飾は、明治に瀬戸へと移り住んだ九谷焼職人の上絵付け技術が生かされたと考えられています。


華やかな九谷焼は海外へ。昭和には小判を持った常滑焼が流行

九谷焼の招き猫
常滑系の招き猫

石川県南部で作られる九谷焼の招き猫は、磁器に鮮やかな色彩で「盛」と呼ばれる装飾が施されています。明治期以降に欧米向けの輸出品として人気を博しました。
主に愛知県常滑市で作られる「常滑系」は、戦後に誕生した招き猫です。どっしりした目立つデザインと生産性の高い鋳込み成形で、高度経済成長期に商売繁盛を願い、日本中に広まりました。


素朴な土人形や、張り子の招き猫も

秋田 中山人形の招き猫
群馬 豊岡張子の招き猫

秋田の土人形、「中山人形」は、鮮やかな彩色と牡丹柄の前垂れ、運気が「上向き」になるように縁起をかついだ上目遣いの表情が特徴です。群馬の豊岡張子の招き猫は、蚕の繭を食べてしまうネズミから蚕を守ろうと、養蚕の守り神として作られました。


ファンシーからカワイイに。時代とともに変わるカタチ

昭和のファンシーな招き猫
薬師窯の招き猫

昭和後期から平成にかけて、かわいらしいデザインやキャラクターの招き猫が登場しました。大きな目で花輪を首につけた招き猫は、昭和50年代のファンシーブームのなか、当時人気だった豚の貯金箱に着想を得たものです。平成以降は、ペットブームや猫好きからの人気が後押しし、多種多様なカワイイデザインの招き猫が作られるようになりました。右の招き猫は、中外陶園の「薬師窯」のもの。薬師窯でも、たくさんのカワイイ招き猫を作っています。


■そして令和、新しいカタチの招き猫

中外陶園で生まれた「SETOMANEKI(セトマネキ)」は、“NEW MANEKINEKO” をコンセプトに、福を招くという招き猫の本質を見つめ直した新しいカタチの招き猫。無駄のない曲線でつくられたフォルムで、インテリアアイテムとしても現代の多様なスタイルの暮らしに寄り添いながら、しあわせを招いてくれることでしょう。


招くご利益が変わる?ポーズや色の意味

古くからしあわせを招く縁起物として親しまれてきた招き猫。そのポーズや体の色など、カタチの違いには意味があります。右手を挙げている猫は「お金」を、左手を挙げている猫は「人」、つまりお客さまや良いご縁を招くと言われています。


一番メジャーな三毛猫は開運全般

白地に茶黒ぶちの三毛や、白の招き猫は、オールマイティーな開運招福。中外陶園「瀬戸まねき猫」の「古瀬戸」では、運気が上向きになるようにという思いを込めて、上目遣いの表情にしています。


厄除けには黒、元気で長生きしたいときは赤

黒猫は厄除けや、家内安全
赤猫は病避けや、健康長寿

黒猫は、日本では古くから縁起が良いといわれ、厄除けや家内安全のシンボルとされてきました。赤は、江戸時代に流行し多くの人命を奪った病気、天然痘をもたらすとされる「疱瘡神(ほうそうがみ)」が嫌う色として、病避けや健康長寿への祈りが込められています。


迷った時は好きな色!

近年は、たくさんの願いをのせた色とりどりの招き猫が登場。黄色や金色は金運に、オレンジ(だいだい)色は家が代々(だいだい)栄える家運隆盛に、ピンクは恋愛成就にご利益があるとされています。叶えたい願いに合わせて選ぶもよし、迷ったときはインテリアや自分の好みに合わせて好きな色を選んでくださいね。


いつも見える場所で、大切にかわいがって

お家にお迎えした招き猫を、どこに置くかも考えどころ。おすすめの置き場所は、玄関やリビング、寝室などの目に入りやすいところ。手が届く、目の高さほどのところに置いて、撫でたり話しかけたりしてみてください。
招き猫に座布団を作り、話しかけたりきれいにしたりしてかわいがっていると、どんどんお客様が増えてお店が盛況になったというお話も。置き方にもこだわって、家族やペットのように大切に扱うと、より大きな幸運をもたらしてくれるかもしれません。


かわいくて、チカラ持ち。しあわせ招く猫をお家に迎えて

ポーズやシルエット、素材に色や表情… 人々の願いが込められてきた、さまざまなカタチの招き猫。どの招き猫も、お家に飾るとつい笑顔になってしまうような、ほっとする愛らしさです。
かわいいだけでなく「縁起が良い」特別なチカラを持つ招き猫。お気に入りを選んで大切にすれば、きっとあなたのところにしあわせを招いてくれるはず。どうぞあたたかく迎えてください。





中外陶園オンラインストア
中外陶園が手掛けるブランド「薬師窯」「瀬戸まねき猫」「SETOMANEKI」に加えて、作家さんとコラボレーションしたオリジナルアイテムも揃うオンラインストアです。ぜひお気に入りの一体を見つけてください。熨斗にも対応しています。

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